現在、官公庁における行政サポートの向上と住民への効果的な情報提供を実現するため、各地でチャットボットが導入されています。本記事では沖縄県内おける市町村の事例を8件ほど紹介します。
市町村の行政サイトでチャットボットを使うメリット
一般的に行政機関には住民から多く問い合わせが来る事が考えられます。
汎用的な質問をチャットボットに対応してもらい、反復業務を自動化することで行政の業務効率化が実現します。
また、電話音声から問い合わせ内容をテキスト化して、データベース化するとなると業務に負担がかかります。
音声データではなければ、入力なしで問い合わせ内容をデータベース化することができます。
1次窓口をAIチャットボットが担い、対応できないケースを窓口担当者が対応する事で大幅な業務改善になる可能性を秘めています。
市町村の活用事例
那覇市
質問内容やキーワードに応じて、関連情報の選択肢を提示し情報が記載されたページへ誘導し、回答内容や対応窓口の情報を提示しています。
よくある質問にAIチャットボットがお答えします|那覇市公式ホームページ https://www.city.naha.okinawa.jp/kurasitetuduki/soudan/aichatbot/index.html
対応カテゴリ
- くらし・地域・手続
- 子育て・教育
- 健康・福祉
- 観光・文化・産業
- 環境・都市計画
- 市政全般
- 新型コロナウイルス感染症
沖縄市
こども・医療・福祉・都市計画・各種手続きや届出など、全面的に質問を受け付けている様です。
フリーワードによる検索よりもFAQをカテゴリや選択肢から絞り込んで回答を表示するスタイルとなっている様です。
沖縄市役所公式ホームページ
https://www.city.okinawa.okinawa.jp/
対応カテゴリ
- 新型コロナウイルス感染症に関する情報
- こども
- 障がい福祉
- 上下水道
- 都市計画、住宅
- 図書館・博物館
- コロナ経済対策
- 住所届出・戸籍
有人対応(ハイブリッド型)のチャットボットを選択をするか、AI対応のみのチャットボットを選択するかは行政サポートへの満足度に大きな影響がでます。
浦添市
こども・医療・福祉・都市計画・各種手続きや届出など、全面的に質問を受け付けている様です。
フリーワードによる質問への回答精度も高く、利用しやすいチャットボットとなっている様です。
浦添市役所公式ホームページ
https://www.city.urasoe.lg.jp/home
対応カテゴリ
- 新型コロナウイルスについて
- ごみの捨て方
- 防災
- 教育・生涯学習・人権
- 妊娠・出産・子育て
- 手続き・証明書
- 保険・年金・税金
- 健康・福祉・介護
- 生活・くらし
- 事業者の方へ
うるま市
現在は引っ越し・各種証明書とごみの出し方・収集日に関する内容に絞って質問を受け付けている様です。
ごみの出し方については画像をアップロードしてゴミ種類をAIが解析してゴミの廃棄方法を回答するユニークな機能がついています。
宜野湾市
マイナンバーカード、住民票、戸籍など、多くのカテゴリに関する質問を受け付けている様です。
フリーワード質問では言葉のゆらぎに弱い為、シナリオボットのみ運用かもしれません。
宜野湾市ホームページ
https://www.city.ginowan.lg.jp/index.html
対応カテゴリ
- マイナンバー(個人番号)、マイナンバーカードについて
- 住民票について
- パスポートについて
- 印鑑登録、印鑑証明について
- 戸籍について
- 証明書について
- 障がい者福祉について
- ごみ・リサイクルについて
- 税金について
南城市
ごみの分別のみに対応したチャットボットを運用している様です。
試験導入のためか、ごみの種類を入力しても回答できない場合が多い様です。
しかし、南城市公式キャラクターなんじーが「〇〇なん」と回答するので和んでしまいます。
南城市ホームページ
https://www.city.nanjo.okinawa.jp/
読谷村
新型コロナ・ワクチン関連とゴミの分別ガイドに絞ってチャットボットを運用しています。
どちらのシナリオボットのみの回答機能に絞っている様であまり回答できる範囲は少ない様です。
読谷村ホームページ
https://www.city.ginowan.lg.jp/index.html
対応カテゴリ
- 新型コロナ・ワクチン関連
- ゴミの分別ガイド
竹富町
マイナンバーカードから観光情報など広い範囲で質問を受け付けている様です。
沖縄県内では観光名所の案内などをするチャッボットは珍しいかと思います。
竹富町には人気離島が数多くあり、観光に関する問い合わせも多いのでしょうか。
竹富町ホームページ
https://www.town.taketomi.lg.jp/
対応カテゴリ
- マイナンバー(個人番号)、マイナンバーカードについて
- 観光・交通情報
- 助成・支援制度
- ごみの処理方法
- その他(医療情報、乳がん検診、移住・定住、ふるさと納税)
有人対応機能付きのハイブリッド型チャットボットを選択する理由
ケースに応じてオペレーター対応への切り替えが可能
有人対応機能付きのハイブリッド型のチャットボットでは、住民からの複雑な質問があった場合などにオペレータへの切り替えができます。AIチャットボットからオペレーターへ適切に切り替えをすることで、オンラインのみで質問内容を解決する可能性が高まります。
ハイブリッド型チャットボットの拡張性
各市町村のポリシーや独自の要件などに合わせて、ハイブリッド型チャットボットをカスタマイズすることで
特定条件に合わせた情報やサービスを提供し、窓口業務をより柔軟に行う事ができます。
限られた人員リソースの活用
行政機関でも人手不足は続いています。ハイブリッド型チャットボットでは、単純で自動化できるサポート業務を自動化して、窓口担当者をより高度な業務に配置することで、限られ人員を有効活用することができます。
住民の満足度向上
住民はチャットボットを活用することで窓口や電話などで待たずに必要な情報を受け取り、疑問を解決することが可能となりますので住民のストレスを軽減し、行政サービスへの信頼性を向上する可能性があります。
以上の理由から有人対応の要素を持つハイブリッド型チャットボットは、市町村の行政サポートにおいて効率性と効果性を組み合わせ、住民との円滑なコミュニケーションを実現します。
まとめ
市町村でのチャットボット導入は、効率的な行政サービスを提供し、住民とのコミュニケーションを向上させるための有力な手段です。
しかし、学習不足や基本的なシナリオの設定などをしっかり行わないと逆に住民にストレスを与えることになってしまいます。
沖縄県内の市町村の事例では改善の余地があると考えらますが、今後回答精度があがり、有人対応のサービスへシフトされる可能性もあります。