【比較記事】「Claude2」と「ChatGPT」

9月25日アマゾンは生成AI界スタートアップの「Anthropic」(アンスロピック)に最大約40億ドル(約5900億円)を投資すると発表しました。
「Anthropic」は生成AI開発において、「OpenAI」の最大ライバルとして注目されています。
「OpenAI」の幹部が2021年に独立して設立した経緯も理由の一つの様ですが、理由はそれだけではない様です。

「Claude2」とChatGPTの概要

「Claude2」は、Anthropic社が開発した新しい生成AIです。
安全性と有用性を重視した設計思想のもと、人々の生活をより良くすることを目的としています。
一方、「ChatGPT」はOpenAIが開発した大規模な言語モデルで、自然な会話ができることが大きな特徴です。人に近いコミュニケーションが得意で利用者が爆発的に増加しました。

安全性やプライバシーの扱い方の違い

「Claude」は「有害ではないAI」を目指して設計されています。人間に危害を加える可能性のある内容の生成を制限するための措置が取られています。例えば、「Claude」は人種差別的な発言や暴力的な内容の生成を避けるようにプログラムされています。
また、ユーザーデータの取り扱いにおいて、透明性とプライバシー保護に重点を置いています。
「ChatGPT」は「OpenAI」の利用規約に従う形になりますが、ユーザーデータの利用目的が必ずしも明確ではありません。大量の会話データがAIモデルの改善に利用される点については議論の余地があると言えます。

学習量の違い

「Claude」はリリース後も能力を継続的に向上し、インターネット上でより新しいデータを検索して学習を重ねることで回答の質を高めています。
一方、「ChatGPT」は学習時点の情報に基づく回答が主になります。
しかし、学習量の違いからなのか会話の質や回答の精度も「ChatGPT」の方が高く感じます。

情報処理量の違い

「Claude2」の最大の特長は処理可能なトークン数が1000,000トークン(約7万5千語)と、「ChatGPT」の32,000トークン(約2万4千語)を大きく上回ることです。
「Claude2」のトークン数で優位性があるため、長文を含む研究資料などの読み取りや解釈をする際に力を発揮します。

「Claude2」と「ChatGPT」の比較表

Claude2 ChatGPT
料金 無料または有料(月額20ドル) 無料または有料(月額20ドル)
プロンプト最大処理量 10万トークン(約7万5,000語) 3万2,000トークン(約2万4,000語)
データの学習期間 2023年初頭までのデータを学習 2021年9月までのデータを学習
複数のファイルの読み取り 可能 不可
処理速度 平均5秒程度 数秒~30秒程度
※2023年10月1日現在の情報

まとめ

現時点では「ChatGPT」の方は回答精度が高いケースが多いと感じます。
「Claude2」は無料利用の範囲内でドキュメントファイルをアップロードして要約を出力したり、Webサイトにアクセスして情報を取り出したり、解析することが可能となっていますので、「ChatGPT」を無料の範囲内でしか利用していない方は試してみる価値があると考えます。